ニットセーターやマフラーなどに多く使われる定番素材ウール(羊毛)。
夏は涼しく、冬は暖かく着られる天然素材のウールは、肌さわりもよく長く着られます。
けど、チクチクが気になる……
毛玉ができやすくて困っている
本記事では、ウールのメリットから正しいお手入れ方法までまとめました。
チクチク、毛玉の原因から解決方法まで、参考にしてくださいね。
ウールの特徴とメリット
まずは、ウールの特徴とメリットを紹介します。
ウールの種類
ウールとは羊毛と言いましたが、種類がたくさんあります。
ラム(子羊)|より柔らかい
シェットランド|ツイードに使われる
メリノ|細くてなめらか
その他、獣毛
アンゴラ(アンゴラウサギ)
カシミヤ(カシミヤヤギ)|モヘア(アンゴラヤギ)
キャメル(フタコブラクダ)
アルパカ(アルパカ)
ヤク(ウシ科)
なかでもメリノウールは羊毛の中でも繊維が細く、ウールにありがちなチクチクが起こりにくい品種。
また、ラムウールはより柔らかいのでチクチクせず、シェットランドはツイードに使われたりとウールは種類もさまざまあります。
品質表示をチェックする際の参考にしてくださいね。
柔らかい風合い
毛は動物性なので湿り気があるのが特徴。
しっとり柔らかい風合いがウールのメリット。
獣毛の中でもアルパカやカシミヤは天然の色に恵まれ、手触りも滑らかです。
絹のような光沢があり保温力も抜群!
ウールでチクチクする方はカシミヤやアルパカを試してみてください。
夏でも涼しい
ウールは冬だけではなく、夏も涼しい素材です。
ウールは熱伝導率が低く、空気中の湿気を吸収して、その水分を発散する際に気化熱を奪うので涼しく感じます。
夏にウールは暑そうというイメージが強いですが、ウールは湿度をコントロールしてくれ、熱がこもりにくくなっています。
髪の毛のようなうろこ(スケイル)の開閉で放湿している!
コットンのように蒸れることもないので、実は夏のスーツなどにもよく使われています。
吸湿性に優れている
ペルシャ絨毯などラグにもウールはよく使われており、一年中活躍。
毛は表面のスケール(鱗片)に空気を含み、それがよじれてクリンプ(捲縮)となりカサ増しされるので保湿性も高い素材。
ウールの吸湿性は繊維中最大といわれています。
シワもすぐ回復!色落ちしにくい
ウールの主成分はタンパク質の一種であるケラチン。
このタンパク質のおかげで染色性があり、色落ちもしにくいです。
弾力性があるため、シワになっても蒸気を当てればすぐにまっすぐ回復します。
ウールを干すとき、シワが目立つと思う時もありますが、スチーム等の蒸気ですぐに元に戻るので安心してください。
ウール(毛)のチクチク・デメリットの改善方法
ウールのデメリットについて改善方法と対策も一緒に紹介します。
ウールでチクチクするときはどうしたらいい?
ウールを着るとチクチクして痛い、そんなデメリットがあります。
コットンのインナーを挟む
ウールでチクチクする原因は、繊維の太さのため。
アレルギーを心配される方もいますが、多くは乾燥した肌に摩擦が起こるからチクチクしてしまいます。
チクチクして痒くなるという方は、素肌ではなく、コットンなどの天然素材のインナーを一枚入れると予防になります。
またメリノウールやラムウールなど、繊維の細いウールを選ぶとチクチクはさらに軽減されます。
一度手洗いをして柔軟剤でお手入れすると、生地がふっくらするので、チクチクが気になる方はお試しを。
柔軟剤は静電気の予防にもなるので、お洗濯では必ず使用しましょう。
柔らかいアルパカやカシミヤを選ぶ
どうしてもチクチクする場合、ウールを避け、アルパカなど手触りが滑らかな獣毛を選ぶのがおすすめです。
固め | シェットランドウール・モヘア など |
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柔らかめ | アルパカ・ラムウール など |
シェットランドウールは、本来柔らかいウールですが、太くて固いウールをシェットランドと呼ぶ場合もあります。
チクチクの予防として、ウールではなくウールに似せた「アクリル」を着用するのもおすすめ。
ウール同様毛玉はできやすいですが、ウール独特のチクチクがないのでウールのメリットはそのままに、チクチクせずに着られます。
毛玉はウールの縮み・フェルト化が原因!対策方法が知りたい
毛は表面がスケール(鱗片)になっており、人間の髪の毛のキューティクルのようなものです。
毛玉の対策方法を紹介します。
毛玉(ピリング)が発生しやすい条件を知る
他の繊維に比べて絡みやすいのでニットセーターの袖口やマフラーなどスレやすい部分に毛玉ができやすいのがデメリットのひとつ。
また、水に濡れるとスケール(鱗片)が開き、開いた状態で揉まれることによって毛同士が絡み合い、縮みとフェルト化の原因となるのです。
生地が揉まれたり摩擦で発生する毛玉。ウールが毛玉になる原因は次の通り。
アンゴラ・カシミヤ・ラムなど柔らかい素材
スラブ・ネップなどよりが少ないもの
粗めの編み物(ローゲージニット)
ブラッシングで予防
一日ウール製品を着ると、脇や袖口は擦れて毛玉になりやすいですよね。
日々のお手入れと毛玉の対策として、流れに沿ってブラッシングをするとホコリを除去・毛並みを整えられ毛玉予防ができます。
そして、できた毛玉はつい引っ張ってしまいますがNG!
毛玉とりを使用したり、ハサミでカットして毛玉を取り除きましょう。
毛玉(ピリング)はできる前の予防が大切。
ウールを着たら衣類ブラシをかけると予防になり、同時にチクチクも軽減できます。
虫食い対策は?衣替え時期が肝心
ウールはタンパク質が主成分のため、虫害に合いやすい素材です。
衣替えでニットを取り出したら虫に食われていたなんてことも。
お気に入りのセーターに虫食いがあったらショックですよね。
衣類を食べる害虫は幼虫のみ。
成虫が卵を産み落とすのは梅雨ごろ〜秋なので、梅雨前までに衣替えを終えておきましょう!
また、食べこぼしも害虫の栄養分となってしまうので注意。
ウールの保管には乾燥剤・防虫剤は忘れず入れましょう。
型崩れしやすいウール、デザインの選び方
ウールは濡れると折り目が取れたり、形が作りにくくなります。
プリーツなども取れやすく、ウール素材には向いていません。
逆の発想として、シワはすぐ回復するのでプリーツやタックのないデザインを選ぶのがおすすめです。
ウール(羊毛)を長く着るための正しいお洗濯方法
ウールはどのようなケアをするのが正しいのでしょうか。
長持ちさせるための取り扱い方法を紹介します。
ウールは基本的に洗濯機・タンブラー乾燥NG
まず、洗濯絵表示を確認すると洗濯機が使えず、手洗い表記であることが多いです。
こすったり負荷が加わるとウールのスケールが開いて毛玉・縮み・フェルト化が起きてしまいます。
そのため、洗濯機を使う場合は必ず手洗いコースで洗濯を行ってくださいね。
収縮してフェルト化したウールは、元に戻すのが難しいため、もみ洗いは避けよう!
ウールは、手洗いの際も中性洗剤を使って揺らす程度に優しく洗いましょう。
タンブラー乾燥機を使うとウールが縮むので、自然乾燥させましょう。
ウォッシャブルウールを選ぶ
最近は、品質改良された過程用洗濯機での洗濯が可能なウォッシャブルウールも多数販売されています。
自宅で洗濯したい!という方は洗えるウールを選ぶのもおすすめです。
ハンガーNG!ウールの干し方と伸びたニットの戻し方
ウールはハンガーにかけると伸びてしまうので、平干しがベスト。
直射日光の当たらない場所で陰干しをして丁寧にお手入れをしてあげてくださいね。
また、アイロンをかけることで、熱により害虫の卵や幼虫も死滅します。
ウールはシワになりにくい素材ですが害虫予防のお手入れとしてアイロンを使用しましょう。
伸びたニットを戻すには、まずお湯につけた後にドライヤーで乾かすと元に戻ります。
ウールは動物の毛なので、水分を通して乾かせば伸びた分が改善されます。
宅配クリーニングの活用
ウールはピリングや縮みなどが発生するため、自宅でお洗濯・お手入れは根気がいります。
ウールってかさばるし、家族分・シーズン分のニットをクリーニング店へ足を運ぶのも大変。
長く愛用するためにも、宅配クリーニングの活用がおすすめです。
毛玉取りオプション等もあるので、ぜひ活用してみてください。
ウールコートなど重衣料にもおすすめ!
ウール素材おすすめアイテム
ウール素材のおすすめを紹介します。
ペンドルトン Wranglerコラボジャケット
ラルフローレン メリノウールVネック
スナイデル リバーシブルウールコート
ペンドルトン タオルブランケット
ウールのお手入れまとめ
本記事では、ウールの特徴からお手入れ方法まで紹介しました。
夏は涼しく冬は暖かく着られるウール、天然素材だからこその風合いも楽しめます。
特徴と正しいケアを知って、長く愛用してくださいね。