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アパレル製品の染色。
染色とは、染料や顔料を用いて繊維や生地を着色を行うこと。
製品がどの段階で染色されるか、目的によって違いがあります。
凹凸のある織物や編み物の染色・コストを抑えるための染色、目的によって染色方法はさまざま。
染色方法として「先染め」「後染め」「捺染」など分類されますが、一番高級感があり、手間をかけているのが「先染め」。
先染めの特徴や、どんな反物が出来上がるか知ると接客の際にも役立てることができます◎
染色の「先染め」の種類
先染めとは?
布地になる前の原料の状態(わた・糸)に染色する方法が先染め。染色堅牢度(けんろうど)に優れていおり、チャック柄やストライプは先染めが多いです。
異なる色糸を交互に織って柄を作るからなんです◎
先染めは、色に深みが出て、原料の風合いを損なわないのがメリット!
[
原料染め|原毛・ばら毛(糸にする前に染色)。
トップ染め|梳毛紡績の中間製品(色を混ぜてメランジを作ることが可能)
糸染め(ヤーンダイ)|原糸の状態で染色。
原料染めの特徴
原料染めは製品にする過程で早い段階で染色が行われます。そのため、もともとの原料の風合いを保つことができるのが原料染めの特徴。
石油が粘液の状態で染色され、黒色の傘などが代表例。
ばら毛(羊毛のわたの状態)を洗い上げて染色する、わた染めという方法も。
生産ロットが大きいため価格が高くなる、生産時間(リードタイム)が長いというデメリットもある染色方法です。
トップ染めの特徴
梳毛紡績の中間製品であるトップ(=太く長いわた)の状態で染色する方法。
白を混ぜることによってできる
霜降りは、トップ染めの代表例
ですね!
こちらも糸になる前の状態で染色を行います。カラーミックスが可能(メランジを作る)
糸染め(ヤーンダイ)
こちらも、
糸の状態で染色
をおこなう方法。
- チーズ染め|緯糸の染色。結び目が少なく、毛羽立ちも少ないため高品質
- ビーム染め|経糸の染色。長い筒状に糸を巻かれた状態で染めるため、大ロット向け。
- 綛染め(かせぞめ)|綛枠で巻き取り、枠を外した状態の糸を染色。
糸染めは深みのある染色ができるので染色堅牢度(丈夫さ)も高く、原料そのものの風合いも損ないにくいのが特徴◎
ロットが大きく(原料染めよりは小さい)、リードタイムが長いのがデメリット。
ストライプやチェックなども糸染め染色した織物が使われます。
先染めのメリット・デメリット
メリット|ハリとコシがでる
先染めを行なった布地は、ハリがあり、シルエットと強度を保ってくれます。
体にまとわりつかず、滑らかな肌ざわりなので肌への負担も少ないのも先染めのメリット。
体から離れるシルエットが多いので、快適感があり秋冬の商品に適しています◎
メリット|表面に凹凸感が作れる
先染めの布はシボと呼ばれる細かな凹凸が生地表面に作ることが可能。
後染めでは中まで染色されにくいから、凹凸のある布地は先染めで作られることが多いんです◎
凹凸は、やや硬いざらつき感も表現でき、強撚糸で作られた生地は風合いが増しますね。
この
シャリ感が肌にくっつかず清涼感を出してくれるのです。
先染めのデメリット|値段が高い
先染めのデメリットは、製品コストがかかる点。
原材料を染色するためコストがかかる上、ロットが大きく生産時間が長いのもデメリット。
その分、染色堅牢度の高さや深みのある染色で品質は高級。
先染め製品を販売する際、
[chat face=”woman3″ name=”” align=”left” border=”red” bg=”none” style=””]なんでこんなに高いの!?[/word_balloon]
なんて疑問を投げかけられても、先染めのメリットをお伝えしましょう!
- 原料の風合いを損ないにくい
- 染色堅牢度が高い
- 深みのある染色ができる
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先染め織物の種類
経糸・緯糸に異なった糸を使用
- デニム
- ダンガリー
- オックスフォード
- シャンブレー
デニムは、斜文織り(綾織り)と言って染色された経糸・緯糸を3本以上用いて斜めに織ります。
地厚で丈夫なのが特徴。立体なので中まで染色されるよう、先染めの糸を使って深みのある色表現をしている!
異なった色糸で織る(チェック・ストライプ)
- グレンチェック
- ギンガムチェック(平織り)
- タータン
- マドラスチェック(インド綿)
- ロンドンストライプ
- ピンストライプ
チェックやストライプは「平織り」と呼ばれる織物のスタンダードな織り方。
経糸と緯糸を1本ずつ交互に織っていきます。
丈夫ですが硬く、丸まりやすい。
色の組み合わせで柄を作る
- ドビークロス
- ジャガード
- ヘリンボーン
小柄の連続した縦模様の織り方であるドビー織りや、
複雑な模様で豪華な着物・ネクタイ・インテリア(ラグなど)に多く使われるジャガード織りにも先染めの染色方法が採用されます。
その他の染色方法
後染め
先染めに対し、後染めは布地になってから染色を行うので、小ロットで製品化できる。カラー展開がしやすく、店頭の状況に合わせて対応が可能。
反染(無地染・浸染)や製品染めなど。
布の段階で染色するのでカラー展開も豊富に作ることができます。ただし汚染しやすいのがデメリット。
捺染(プリント)
柄物に適していて、花柄やエスニックなどトレンド表現がしやすい染色方法。
布地に直接色を重なる染色と、抜染剤を用いて色を抜く方法があります。着抜(ちゃくばつ)と言う、色を入れながら抜染する方法も。
捺染(プリント)の製法はこちら>>もチェックしてくださいね。
「先染め」の染色方法について、いかがでしたか?
反物になる前に染色するため時間とコストがかかりますが、
後染め・プリントに比べても染色堅牢度、風合い、深みにより高級感が出ます。
染色についての知識を磨いて、接客にも役立ててくださいね◎