接客では、最初のお声がけ(ファーストアプローチ)が第一印象を決める重要な場面です。
軽く「合わせてみてくださいね」と一声かけるだけで、お客様も販売員へ質問しやすくなります。
一方、お客様は言われ慣れたフレーズは煙たく感じることも……
タイミングよくお客様にお声がけができれば、きっかけを与えられますが、ありきたりの言葉を繰り返すだけでは次へ進めません。
そして、何を言ったらいいかわからないという販売員も多いのではないでしょうか。
接客のタイミングがわからない、声かけして無視されたらどうしよう
本記事では、売れる販売員は実際にどのようなセリフをファーストアプローチで使っているのか紹介します。
第一印象が決まる!効果的なファーストアプローチ方法
接客で、どの商品を提案する際も避けて通れないファーストアプローチ。
どのようなファーストアプローチを仕掛けると効果的なのか、基本的な流れを解説します。
フレーズが浮かばないなら、定番文言でもOK
店頭でただ服をたたんでいるだけや「いらっしゃいませ」と、声出しや作業に熱中しすぎていては、接客に入るタイミングが掴めません。
いざ、お客様が入店されて(接客しなきゃ!)と思っても行動に移さなくてはすぐに帰られてしまいます。
どうしようと思っているだけでは接客する前にただ時間が過ぎていくだけ!
お客様側から販売員に声かけされた時だけ接客するのは「販売員」といえません。
こちらの色、キレイですよね
フレアなシルエットでかわいいですよね
使われがちなフレーズでも、声掛けせず帰られてしまうより◎です!
突然相手の心に入る接客はNG
あまり話しかけられたくない、話しかけないで!
まずはお声がけ、とはいえ話しかけないでオーラのお客様もいらっしゃいます。
突然の声かけ接客をすると逆効果となってしまう方もいます。
そのようなお客様に急に距離を詰めてしまうと、冷たく帰られてしまうことも。
声掛けないでオーラのお客様は、すこし離れた位置で様子を見ながらタイミングをうかがいましょう。
無視されても普通と思う
いざ声掛けをして無視が続くと精神的にきついですよね。
正直、販売員がお客様に無視されるのはよくあること。
少しずつ心を開いてもらえるような接客のポイントと、セリフを抑えればどんな方にも笑顔でお買い物を楽しんでもらえます。
無視されるのは普通!反応がある方がラッキー!
売れるセリフのフレーズを使った接客の進め方
では、どのような言葉をお客様にかけると心を開いてもらえるのでしょうか。
売れる販売員が使うセリフをマスターしましょう!
初めの一言をセリフ化して、声掛けチャンスを逃さない
言葉が出ないなら、接客のひとこと目をセリフ化してみるのがポイント!
声かけをしなきゃ、でもなんて言えば……
と、どのようなフレーズで声掛けしようか悩んでいる間にその商品から離れてしまいますよ!
始めは、全員に同じセリフでスタートしても大丈夫です。
いらっしゃいませ!雨、大丈夫でしたか?
バッグ、すごく素敵ですね!お客様の雰囲気に合ってらっしゃいますね
質問形を合わせたセリフでお客様から会話を広げてくれるメリットがあります。
もちろん反応のない場合も珍しくないので、どのようなアイテムにも共通する言葉を一つ決めてセリフにしてしまうのがポイントです。
最初の一言で差別化しているので、定番のセリフでもありきたりになりません。
そちらのスカート、色が綺麗ですよね!
接客のファーストアプローチはこのセリフでOK。
シルエットや素材に比べて色は購入の決め手となりやすい要素です。
何か話さなきゃ!と言葉を選んでいる間に接客できずに終わってしまうなら、言葉を統一してでも声かけを行うことがポイント。
慣れたら、定番セリフではなくオープンクエスチョンで会話する
よく使いがちな「よければ合わせてみてください」この一言をセリフ化しようとしていませんか?
お客様は1日に何店舗かショップを回遊してたとすると、毎回この言葉をを聞くことになります。
またか、と聞き飽きた言葉に落胆するのと、印象に残る販売員にはなれません。
「よければ合わせてください」という言葉はファーストアプローチの前置きでしかないと覚えておきましょう!
ふと言ってしまっても、そのままその場を離れないでアプローチに入ればいいのです。
よければ合わせてみてください。実はリバーシブルで着回しがしやすいんですよ!
「はい」で会話を閉じられる(クローズドクエスチョン)を避け、会話が繋がりやすい回答者が自由に考えて答える「オープンクエスチョン」を活用しましょう。
- どこに着ていく予定ですか?
- どんな色をお探しですか?
- どんなテイストが好きですか?
身につけているものから会話のきっかけをつくる
声掛けに詰まったら、お客様が身につけているアイテムを会話をスタートしてみるのも手です。
つい、服に関する会話をしようとしてしまいますが関係ありません。
会話から連想ゲームをすることで、来店された動機やニーズへと繋げられます。
ミッキーの傘すてきですね、ディズニーお好きなんですか?
ありがとうございます、パークによく行くんですよ
いいですね!いまの季節寒くないですか?
パレード待ちのときが寒くて…、防寒になるアイテムないかなと思って見に来たんです
このように、まったくファッションに関係ないことでも掘り下げることによりニーズを引き出すことができます。
接客の会話術については、下記の記事もぜひ参考にしてくださいね。
共感と相づちでお客様と距離を縮める
お客様は商品を手に取られた瞬間、
あ、これいいかもっ!
と、商品に対する反応を見せてくれます。
この色、素敵ですよね!スカートをお探しですか?
色でも素材でも形でも自分が抱いた印象(素敵なアイテム)を、他人に肯定されると「これは素敵なものなんだ」という認識が増します。
お客様へ共感のセリフを述べ、第三者である販売員に「素敵ですよね」の一言を添えられると「同じ認識を持ってくれた」と心を開いてくれます。
声掛けに躊躇したら、まずは深呼吸
声掛けのタイミングはお客様が商品を手に取られた瞬間、一度心の中で深呼吸をするのがおすすめ。
深呼吸が終わったタイミングでお声がけしてみましょう。
なぜかというと、販売員に見られていた(監視されていた)という警戒心を生まないためです。
深呼吸をすることで接客に絶妙な「間」を作ることができ、お客様からの返事が来るはず。
声かけされなくとも、販売員の視線を感じるとお客様はゆっくり店内を見れません。
販売員側はただ声かけのタイミングを伺っていただけだとしても、お客様を不快な気持ちにさせてしまいます。
一呼吸置いて、満面の笑顔で声がけしましょう。
好感度を上げる!ファーストアプローチで意識すること
お客様にどんなに煙たがられても、笑顔で接すれば笑顔が返ってきます。
相手に抱いた印象がそのまま自分に返ってくる
あのお客様無表情でいやだなぁ。話しかけても反応してくれなさそう
ブスッとしていたり無表情だったり。そんなお客様の様子を見て落胆してしまいましたか?
相手にマイナスの印象を抱いてしまうと、販売員もマイナスの表情がでてしまいます。
「あの店員さん、なんか無表情でやだな」とお客様も思っているかもしれません。
笑顔を意識しても、ふとした表情がにじみ出てしまうもの。
お客様も販売員に対してネガティブな印象を抱いているかも?
笑顔でいれば、お客様からも笑顔が返って来ます。
それでも話を聞いてくれないとき
様子を見るために「よければ合わせるだけでも〜」とゆるく声かけするのも◎
「合わせてくださいね」より「合わせるだけでも……」という言い回しの方がお客様にプレッシャーを与えず、気軽に店内を見てもらえます。
反応なし、無視という方にはまずはこの前置きのセリフで大丈夫ですよ。
次のポイントとなるセカンドアプローチで挽回しましょう!
ファーストアプローチの声掛けフレーズまとめ
笑顔で接客をすればお客様も笑顔になるものです。
最初になんて声かけしたらいいのかわからない、売れる販売員はどんなフレーズをつかっているか気にしすぎても、動けないと意味がありません。
- 声かけを「セリフ化」して慣れよう
- セリフに一言ずつフレーズを足して、接客の差別化
- オープンクエスチョンを活用
- 深呼吸すると絶妙なタイミングが生まれる
- お客様に抱いた印象は、相手が販売員に抱いた印象
ファーストアプローチで反応がなかったお客様にも接客を仕掛けるポイント・売れるセリフはまだまだあるので、セカンドアプローチ以降で挽回も可能ですよ!