アパレルショップに来店されるお客様には、喋るのが好きな人、あまり深入りして欲しくない人さまざまです。
接客の際、自分(販売員)の話メインではなく相手に「喋らす」会話ができていますか?
受け身の接客にならず「聞く」「喋らす」を交互に使うのが会話のコツ!
それでも、なかなかニーズ(潜在的な需要)を引き出せず会話が止まってしまうことも。
スキルのある販売員は、商品説明だけではなくお客様側メインで会話を進めています。
本記事では、接客におけるニーズチェックのスキルについてくわしく解説します。
ニーズチェックの方法から、会話に詰まりそうになった時の対処方法がわかります!
ニーズチェックで会話スキルをアップさせるコツ
まずは、どのように会話を広げていけばいいのか会話の基本を解説します。
販売員のニーズチェックの基本ルール、5W1H
販売員は、ニーズチェックをしてまずお客様を「知る」ことが重要です。
お客様の本来の目的(潜在ニーズ)を聞き出すため、闇雲に質問しても心を開いてくれません。
接客における最初の会話の基本は「5W1H」。
たった一つの質問から会話を広げ、キーワードを回収していきます。
質問は5W1Hを意識して会話を進めよう!
何を探しているのか(What)
なぜ探しているのか(Why)
誰が着るのか(Who)
どこに着ていくのか(Where)
いつ着るのか(When)
どのような素材・形・色を探しているのか(How)
一つキーワードを掴めば、そこから掘り下げられるので会話に詰まることなく話題が広げられます。
ライフスタイルやお探しのものがわかれば、販売員は個々に合った提案がしやすくなりますよね。
お客様側も「知ってくれている」とわかると販売員に対する信頼度が高くなるもの。
最後まで相手の話を聞いて、「もっと知りたい」をアピールした会話のスキルアップが売れる接客に繋がります。
売れる販売員は、テンポよく会話を進められるスキルを持っているのでお客様を飽きさせません。
お客様に気を使わせてしまうことがなくなれば一人前!
立ちトークではなく商品を手にとって提案
会話を広げようとするあまり、ただやみくもに口を動かしていてもそれはただのお喋りです。
お客様は販売員と喋るのではなく、服を探しに来たのに……
口ばかり動かすのではなく、実際に商品を見せながら接客をすると動きがでるだけではなく、実際に着ている姿のイメージがしやすいます。
お客様のニーズがわかったら、すぐにそれに合ったアイテムをどんどんみせていきましょう。
平台でコーディネートを組んでみて、それが素敵だと思っても「この組み合わせ、したことないけど私に合うのかな?」という不安があるはずです。
そうしたら鏡へ移動しましょう。
鏡を使って着用イメージをしやすくする
商品がお手に取られたラックで説明をしてもイメージが湧きません。
鏡で合わせてみませんか?
鏡で合わせてみた自分をみると「あのスカートと合わせてみようかな」「これに合わせてあんなパンツが欲しいな」と、気分が高まり購買意欲が増します。
それにより販売員も新たな商品を見せてコーディネートのスキルを発揮でき、接客にも動きが出ますよ。
ニーズチェックから商品提案へのコミュニケーション
ニーズがわかったら、どのようなコミュニケーションをして商品提案へ進行していくとスムーズか紹介します。
まずは一通り商品をみせる
ニーズがわかった後の商品提案で、お客様の反応が薄い場合、販売員の提案とお客様の潜在ニーズが一致していない可能性が高いです。
ニーズチェックをしても会話が弾まなければどんどん服をコーディネートしてアイテムを見せていくのが重要。
販売員側が受け身の接客にならないよう、相手に働きかけるのが大切。
お客様自身がファッションに疎くても、気になるものを見つけて「着てみたいな」という感情は少なからずあるので大丈夫ですよ!
デメリットも伝える
たくさんコーディネートを組むことで、そのお客様にハマるアイテムが必ずみつかります。
トレンド情報や販売員の持っているアイテムのメリットだけではなく、デメリットも伝えると信頼度が高まります。
デメリットは、最終的にポジティブな内容に変換しましょう。
- 短めのスカートですが、その分脚がきれいに見えます
- トレンド色が強いですが、お手頃なお値段なので挑戦しやすいです
- 毛玉ができやすいですが、日々ブラッシングすれば気になりません
商品を見せた分だけそのお客様にショップのアイテムの情報がインプットされるので、数で勝負するのも重要です。
相手のニーズを引き出したら、ご試着へ
鏡で合わせてからのニーズチェックはとてもスムーズ。
テンションが上がれば、お客様はどんどん潜在的な要望をしてくれます。
ここまで来たら、販売員に何でもお話してくれるため、会話の詰まりを解消できているはず。
ご試着室へ案内して、実際に着てもらうとさらにイメージがわきます。
そこから新たなニーズを引き出すこともできるので、鏡で合わせたらご試着を提案してみましょう。
【注意点】商品提案をしすぎると迷う、2点に絞る
選択肢が多すぎると逆に選べなくなります。
ただ闇雲に商品提案ばかりしていてもお互いに疲れるだけ。
また、いくつも提案されすぎると多すぎて選べないというデメリットに繋がってしまいます。
一通り見せたら必ず最終的に2点まで絞り込みましょう!
多すぎてわからない!またでいっか…
2点にすると、選択肢が「買うか買わないか」ではなく「AとBどちらにするか」となり、決定しやすくなります。
ゴールデンサイレンスを活用してニーズを引き出す
販売員側が一方的に話していても相手に話す隙がなければ会話のキャッチボールはできません。
一方的に喋り倒すのではなく、間(ゴールデンサイレンス)が効果的!
購入にまよったら、少し沈黙の時間を与えてから「いかがでしょうか」の一言を加えて意見を伺うと、お客様も返答しやすいです。
もしも好みに合わなかったとしても「こうゆうのは好きじゃない」の情報がもらえれば逆の提案ができますね!
沈黙の時間はお客様が考える時間、戦略の一つ。
また会話が途切れてしまった…と臆する必要はなく、接客において重要な時間です。
ニーズを引き出す聞き方、つまずくポイントのよくある質問
ニーズを引き出す接客をするとき、つまずきやすいポイントの解決方法について回答します。
話すのが苦手な人への聞き出し方がしりたい
お客様の中にはあまり話すのが得意じゃない方もおり、なかなかニーズを聞き出せない場面もあるでしょう。
一見のお客様からガンガン販売員に話してくれるのは、もともと人と接するのが大好きな方だけ。
そして心の中ではかなりテンションが上がっていても、表に出さない方もいらっしゃいます。
ちょっとした表情の変化をくみとりながら、相手にテンションの上がる言葉をかけてあげるだけでもきっと心ではすごくよろこんでくれていますよ。
ムリに聞き出そうとせず「こんなアイテムもありますよ」と、さりげなく商品提案するだけでも大丈夫。
「喋ってくれない=ウザがられている」というわけではありません。
まったく心を開こうとしてくれないお客様は、どうしたらいい?
ニーズを引き出そうにも、販売員と話したくないという方はやはり多いです。
職業や趣味、わざわざ話す必要なんてない。販売員と仲良くなるのが嫌、接客不要で、ささっと選んでささっと買いたい。
そんなタイプのお客様の心にズカズカ入っては逆効果!
実際に、近すぎず遠すぎずの距離感を保つスキルのある販売員が、お客様にとって居心地良いという場合が多数。
馴れ馴れしく接客して欲しくない、というお客様の気持ちにも寄り添うことが重要です。
ニーズを引き出す聞き方・まとめ
本記事では、お客様のニーズを引き出す聞き方や、提案の仕方までくわしく紹介しました。
- 基本の会話5W1Hができているか?
- 知ろうとすることが大事!お客様の話に耳を傾ける
- 信頼関係を築いて「質問に答えてもらう」スキルを磨く
- 鏡を使ってお客様のテンションをあげる
- こちらから商品情報を発信をする
ちょっとしたコミュニケーションでお客様は歩み寄ってくれます。
ニーズを引き出すために丁寧に会話をして、心を開いてもらいましょう。