誕生日やクリスマスなど、ギフトをお探しで来店されるお客様もいらっしゃいます。
ギフトの販売は、ふだんと違う客層で接客しにくいという人も多いはず。
ただ商品の特徴を述べるだけになってしまうという悩みも多いかと思いますが、少しアクションを加えるだけで販売しやすくなります。
コツは、贈る相手のことをよくヒアリングし「あげたいもの」ではなく「欲しいもの」を引き出すこと。
本記事では、ギフトの販売テクニックとセット売りにつなげて客単価をアップさせる小物の販売方法を紹介します。
ギフトの接客、抑えておきたい基本の販売ステップ
ギフト目的のお客様は、異性やお店のターゲット層とは異なる方である場合が多いため、特徴がわかりやすいでしょう。
販売員が緊張を解くようにお声がけをしてリードするのがコツです。
予算と贈る相手の確認
まずは、予算を聞くことが重要です。
はじめに予算を聞いておかないと、いくらアイテムの提案をしても予算が合わず噛み合わなくなってしまいます。
お客様はなんとなくの予算は決めていたとしても、すぐ答えてくれるとは限らないので販売員から聞き出しましょう。
お客様「彼女へのクリスマスプレゼントを探していて……」
販売員「すてきですね!ご予算は決められていますか?彼女さんに喜んでもらえるプレゼント選び、ぜひお手伝いさせてください!」
お客様「だいたい1万円くらいでよさそうなものありますか?」
予算を聞き出せれば、その金額に見合った商品提案へ進めることができます。贈るお相手の好みをヒアリングし精査していきます。
お客様が販売員になにを求めているのか、目的を知ることで期待(要望)に応えることができます。
憶測で「これを求められているだろう」ときめつけても、ただおせっかいになるだけです。
同性目線で欲しいものを提案
ギフトの接客では、異性のお客様も多いので、同性目線を強みに提案しましょう。販売員自身の体験談を交えるのも効果的です。
お客様「アクセサリーのプレゼントって実際どう思いますか?」
販売員「個人的には、普段の服のテイストに合うものなら嬉しいです!ただ、ふだん身に付けないようなデザインだとコーディネートできなくて結局つかわなくなっちゃいます。過去にあまり好みではないアクセサリーをいただいたことがあり、はじめは無理やりつけてましたが結局使わなくなってしまいました」
このように、リアルな体験談を交えるとその後の提案にも耳を傾けてくれます。
不要なプレゼントをもらった経験のある人の意見を聞くことで「このプレゼントなら大丈夫」と自信を持ってもらえますよね。
なんでもかんでも「絶対喜んでもらえます!」と言っても無責任に感じられてしまいます。
プレゼント相手と同伴の場合
ギフト接客時、プレゼント対象のお相手が同伴され、その場でプレゼントを決めるパターンもあります。
この場合は予算を聞くより、ギフトを受け取る方の要望を第一に考えてあげましょう。
カップルなら二人で話しながら決めたい場合も多いので、プレゼント選びの楽しい時間を邪魔せず、まずは見守りましょう。
販売員が選ぶのではなく、あくまでギフトを選ぶのはお客様という意識を持ち、本当に必要な場合だけのサポート役に徹します。
- 販売員の意見は押し付けず、お客様の意見に同調
- でしゃばらない
- 本当に迷った時に、最後の一押し
決定権のある「プレゼントされる側」の方がいちばん気持ちよくいられるように引き立てましょう。
ギフト、ファッション小物の販売テクニック
それでは、具体的にどのようにギフトや小物の販売をしたらいいのか、会話のテクニックを紹介します。
体験してもらう
ウェアの場合、コーディネートを組んだり試着室をつかったりとクロージングまで時間がかかります。
小物の販売は、その場でクロージングまで持っていける手軽さがあります。
とはいえ、ただ商品の特徴を述べるだけの接客はNG。
後者のほうが買いたくなりませんか。
ただ見た目の特徴と機能を説明しているだけではECサイトと変わりません。
実際にお客様に触ってもらう、操作してもらうという体験を混ぜるとイメージがしやすく購買に繋がりやすいです。
ストールなどは、実際に巻いてみてもらうのもいいでしょう。
今すぐ使いたい!レスキューニーズ
小物の接客パターンとして「今すぐ使いたい」というレスキューニーズがあります。
- 日中に比べ、気温が下がりマフラーやストールがほしい
- 突然の雨で、傘やタオルがほしい
- ヒールが折れてしまった、靴擦れして履き替えたい
必要なものがはっきりしているケースほど、接客力によって今後に差が付きます。
お客様「ヒールが突然折れてしまって、今すぐ履き替えたいんですが……」
販売員「それは大変ですね、お怪我はありませんか?ヒールのないバレエシューズがあるのでお試しいただけます」
突然のトラブルの場合、まずはお客様を案じる言葉をかけてあげましょう。
販売員の第一印象もよくなり、接客を任せてもらえます。
お客様「とりあえず履き替えられればと思っていたけど、かわいいですね、ためしてみたいです」
販売員「クッション性もあるので、疲れた足でも楽ですよ。しかもお値段も抑えめです。サイズはいくつですか?」
レスキューニーズの場合、急な出費となるため、できれば価格を抑えたいという人も多いです。
値段を先に伝え、不安を払拭させてあげましょう。
お客様「テンションが下がってしまっていたんですけど、お陰でいい靴に出会えました。たくさん履こうと思います」
来店動機はどうであれ、最後は笑顔で帰っていただきたいもの。
その場しのぎで買ったものと、これをきっかけに新しいお気に入りに出会えたこととは印象の残り方も違います。
親身になりお客様の手助けをすることによって良い印象を強く残すことができます。
マンネリしやすいギフト接客の注意点
小物の販売では、コーディネートを組んだり、試着によるお客様の変化が購買の決め手になりにくいもの。
流れをパターン化しやすいギフトや小物の接客ほど、最近のトレンドやプレゼントで人気のアイテムなど、情報を伝えることでお客様も選びやすくなります。
販売員「このストールなら、ウール素材で大判なので、ブランケット代わりとしても活躍しますよ。便利だけどなかなか自分で買おうとなると後回しになりがちなので、プレゼントされると嬉しいはずですよ」
どんなアイテムなら使ってくれる・もらって嬉しいかを伝えながら提案を行います。
お客様「確かに、アクセサリーよりも日常使いしてもらえそうですね!彼女だとどの色がいいだろう……」
まとめ
ギフトや小物の接客では、どうしてもマンネリ化しやすいもの。
細かい気配りや所作によって感動を与えられます。
ワクワクしながらギフトを選ぶお客様も、トラブルでテンションが上がらないまま来店されたお客様も、お店を出られる最後まで楽しんでもらう意識をしましょう。
お客様のニーズに合わせた要望に応え「またこの人にお願いしたいな」と思ってもらえる接客をしましょう。