店舗におけるVMDの戦略を深掘りするさらに分類することができます。
分類されたなかの一つが「VP(ビジュアルプレゼンテーション)」と呼ばれ、ショーウインドウやゾーンといったコンセプトを分けた場所(ウインドウ・メインステージ)を指します。
同じ店舗でもA店の方がおしゃれだな〜など感じたことはありませんか?
お店のメインとなる店舗VMDなので、力を入れたい箇所。
本記事では、VPの効果的な戦略や活用方法についてくわしく解説します。
VP(ビジュアルプレゼンテーション)とは?活用した戦略例
まずは、VPとはなにかくわしく解説します。
VP(ビジュアルプレゼンテーション)とは?
まず、MPS(マーチャンダイズ・プレゼンテーション・スタンダード)という、商品をさらに見やすくする為に分類します。
店舗の売場の意図がお客様にどうしたら伝わるかを考える原理!
商品の構成情報を視覚で伝達する技術といえ、VPはMPSのなかのひとつ。
IP(アイテム・プレゼンテーション)|店舗内のお客様が目にする商品全て(ハンギング・ケース内陳列)
PP(ポイントオブバーチャス)|IPの中から強調したい部分。ディスプレイの最上部(提案型テーブル・壁面ディスプレイ)
VP(ビジュアルプレゼンテーション)|店舗のショーウインドウ・ゾーンといったコンセプトを分けた場所(ウインドウ・メインステージ)
MPSのなかでも、VPは店舗内で最重要の要素!
一番引き立てたい場所を設定したり、わかりやすさと商品の探しやすさを心がけて、買いやすい売場をVPで目指します。
店舗におけるVPの基本戦略を頭に入れておくと、より明確なVMDを作ることができます。
店舗のコンセプトをVPで表現する
どのブランド・店舗でも「コンセプト」を持って店舗運営をしているはずです。
そのコンセプトやブランドイメージ、たとえ店舗側が理解していてもお客様に発信できていますか?VPではコンセプトに沿った商品を打ち出して「商品を使って店舗イメージを訴求」します。
何(商品)を、誰に(ペルソナ)、いつ(実売期?販促時?)、どこで(店舗内のどのゾーンか)、どのように(陳列方法)、考えましょう。
何を売りたい店舗なのかを明確にし、わかりやすくて商品を探しやすいVPを目指しましょう。
VPをつくって店内にメリハリをつける
メリハリといってもさまざまあり、ゾーニングしてメリハリをつけたり、季節ごとに変化させる戦略もあります。
- 閑散期や販促時期
- 店頭の商品の移り変わり
- トレンドや店舗環境
目的なくフラっと来店される方も多数いるので、お客様の洗剤ニーズをVPでひきだす必要があります。
そのため、たくさんの要素の変化をキャッチしてVP戦略も変えなくてはなりません。
メリハリや変化をつけず、過去に実績があったVPをいつまでも続けていては店舗の新鮮味に欠けてしまうので力を入れましょう。
店舗VP、売り上げ効果がアップする基本戦略
どのようなVP戦略を行うとより効果的なのか紹介します。
VPの目的を知り、店舗に落とし込む
まずは、VPの目的を明確にしましょう。
・ブランドコンセプトや世界観を訴求する
・トレンド商品・売れ筋の発信
・商品の価値を最大限に表現した販売促進
陳列されている商品の魅力をVMDによって引き出します。
そのVMDはVPの骨組みが明確になされていてこそ作れるもの。
どの商品に対しても平等に売れる機会を与えるために、商品ごとの役割を持たせましょう。
また、ディスプレイ一つをとってもプロモーションの一貫といえます。
売れ筋商品のゾーニングだけでなく、たとえ店内奥の目立たない場所だとしても死に筋商品もスポットを当てるのがVPの役割です。
ゾーニングを行うと効果的
店舗内でゾーニングを行ってVP戦略をすることで、お客様は商品を手に取りやすくわかりやすい売場となります。
何がどこにあるかが明確な店舗だと、一つひとつのアイテムの着こなしイメージも浮かべやすくなり、購買にも繋がります。
店舗が活性化されて良いサイクルができる!
また、ゾーニングがしっかり行われた店舗は、販売員も動きやすく素早い対応ができたり、あらゆる面でいいことづくし。
企業イメージも明確になり、信頼性にも繋がります。
店舗VPの戦略・入り口
まずはお客様を店内に呼び込まないことには何も始まりません。
一見客は店舗のファサードVPの雰囲気で入店が決まります。
そのため記憶に残る店舗VPを仕掛けましょう。
- お客様目線のVP|視線は斜め!斜めから見た導線を意識する
- 回遊しやすいVP|什器配置で店内奥まで誘導できているかチェック
- 退店のしやすさ|出口がわかりやすい「逃げ道」を作る。すぐ出れそうとわかると気軽に入れる
店内VPはゾーニングが基本
店内のレイアウトでは「ゾーニング(カテゴリ分け)」が必須。
アイテム特化|ワンピースだけ、スカートだけといった大分類ごとに集めたゾーン
色特化|トレンドカラーや色で縛って集約
テイスト特化|綺麗めゾーン・カジュアルゾーン etc…
この什器ゾーンではワンピースで固める、といったように、 何を訴求して何を売りたいのかを明確にしましょう。
効果的なVPのつくり方
実際にVPを活用して店内ディスプレイをしてみましょう。
打ち出し商品の選定
各ゾーンのテーマやコンセプトを明確にしましょう。
ここでは何を訴求したいのか、パッと見てわかりやすいVPを訴求するのが大切です。
トレンド感があるか、シーズンテーマにマッチしているか
カラーコーディネートは統一されているか
素材の雰囲気は的確か(VPのゾーンによって素材感で差別化)
装飾感があるか(ボディでは普段合わせないような装飾で目を引くのも有効)
VPでゾーニング(カテゴリ分け)を行うと、テイストがバラバラになりがち。
店舗そのもののコンセプト・ペルソナが崩れないように最終チェックしましょう。
起承転結でストーリー性のある店内をつくる
店舗のVPでは起承転結を考えるのも有効。
- 起|ボディやウインドウで「魅せる」
- 承|間、余白(詰め込みすぎず、回遊しやすいように)
- 転|ゾーニング
- 結|陳列で「売るためのラック」(死に筋も集約させる)
つい、隙間があると商品を並べたくなりがちですが、「余白」はとても重要です。
余白がなく敷き詰められたVPは引き立てたい商品を霞ませてしまいます。
目線の高さ・色を意識しよう
打ち出したい商品の高さ、意識していますか?
たまに、身長よりはるかに高い位置に商品が陳列されていることがありますが、視界にも入らないので、popや装飾備品(グリーンなど)に差し替えた方が「抜け」にもなり有効。
店舗ではアイレベルを意識して、商品が一番手に届きやすい位置であるゴールデンゾーンに商品陳列をしましょう。
男性で床上70〜160cm
女性で床上60〜150cm
このゴールデンゾーン、少し目線を下げた低めの位置が一番目に入りやすく店舗のVPに有効。
手前は低く、奥に向かって高くすることで店内に奥行きが生まれます。
手前に背の高い什器ばかりだと外から奥が見えないので注意。
色でまとめる
視覚効果として「色」にも注目します。
素材やデザインよりも「色」は視覚的に認知されやすい要素です。
ゴールデンゾーンに目立つ色を展開して記憶に残るVPづくりをおこないましょう。
陳列するための什器や高さ・色は「視覚に訴えかける要素」、VPを考える際に重きを置きましょう。
VP戦略店舗でのテクニックまとめ
戦略的に投入されている商品・仕入れ量を把握しつつ計画的に店舗VPを行うことが重要です。
商品の長所・品質・デザイン全ての要素を、お客様に目を向けてもらえるような訴求を行いましょう。
商品|お客様にわかりやすい分類をすることで手に取りやすい
店舗レイアウト|店舗に入りやすく店舗内回遊も容易。店外にも出やすい
ディスプレイ|手に取りやすく、見やすい→商品が選びやすい
まず店舗スタッフがMDを把握して、商品の価値を体感しましょう。
接客と同等に店舗VPの設定で売り上げは左右されます!
何を打ち出すかの専美眼とVPテクニックを磨き、お客様の購買意欲を掻き立てるのも大事な戦略です。