店舗のVMD訴求の中で重要なのはやはり一番目を引くディスプレイ(Dispray)ではないでしょうか。
展示、陳列という意味があるディスプレイですが店舗にて戦略的に表現できていますか?
どんなに魅力的な商品を揃えていても、ただ並べてあるだけでは商品の魅力を最大限に発揮できません。
ディスプレイの基本を学び、戦略を行うと最低限の予算で最大の効果を発揮することができます!
ディスプレイの基本「演出する陳列」「売る陳列」を差別化
お客様はVMD・ディスプレイによってどんなコンセプトの店か、どのような商品が置いてあるかを認識します。
外から店内を覗いて、目を引くディスプレイがあれば気になって店内に入りますよね。
という認識があるからこそ店頭のディスプレイ、全てショーウインドウのように綺麗に飾っていませんか?
ここで注意しておきたいのは、お店は美術館ではないという点。
お客様は「魅せるディスプレイ」ばかりだと綺麗な陳列を見るだけで商品を手に取る前に満足してしまいます。
また、綺麗にディスプレイされた棚って商品を手に取りづらい。
例えば、完成されたディスプレイは「絵」のように見えるので、その「絵の一部」を手に取ることで「絵が崩れる」という心理がお客様には働きます。
気兼ねなく手に取れる「陳列しただけのディスプレイ」を作るのも重要。
見た目が綺麗でも手に取られなければ売れません。
入り口のVMD「演出ディスプレイ」の基本
それでは、どのようなディスプレイが効果的なのか解説していきますね!
入り口ファサードは店舗の「看板」
演出するディスプレイと陳列しただけのディスプレイは、場所によって差別化しましょう。
お客様にはまず「ワクワク感」を提供して気分を高めなければ購買には至りません。
その基本のワクワク感を創造するために「演出ディスプレイ」は入り口で展開しましょう。
エントランスのディスプレイでお店の印象も決まります!!
通行人に足を止めてもらうには目を引くファサード(入り口)。
明るい色・目につきやすい色(暖色系)をポイントにしてアイキャッチにディスプレイするのが基本。
また、エントランスのディスプレイ、どこからチェックしていますか?
自分が正面から見てOKと思っても、基本的にお客様は正面から歩いてきません。
通路を通るお客様は、通路から斜め前方を見ながら歩いていて、店舗・ディスプレイが目に入ります。
エントランスのディスプレイができたら、スタッフ自身がお店の前を歩いて往復しましょう◎
斜めから見ても目を引くように、90度と45度の角度・立体を意識するのがディスプレイの基本!
平台でのディスプレイは、三角を意識するのも忘れずに◎
大きい商品を後ろ、小物を手前/重いものを下、軽くて小さいものを上に置くとディスプレイのバランスが良くなります。
お客様を引きつける入り口ボディの基本
VMD・ディスプレイの最終目的は商品を購入してもらうこと。
誰が買うのか(ペルソナ)を想定してディスプレイづくりをすることが大切。
ボディ1体コーディネートするにも、まず売りたい(推したい)商品を選定して、その商品を引き立てるにはどのアイテムを組み合わせたら効果的かを考えるのが重要です。
1体のボディに、着せた全部のアイテムを売ろうとすると、結果全てが霞んでしまうので失敗します。せっかく着せているのにどれも売れないという失態に・・・
こうゆうの着たかった!とお客様に共感していただき、ボディ売れ(マネキン売れ)を目指しましょう。
「売る陳列」売り場のディスプレイの基本
メインエントランスとなるファサードでは、魅せるディスプレイでアイキャッチを作るのが基本でした。
では、店内のディスプレイはどのような工夫が売り上げに繋がるのでしょうか?
店内の「売る陳列」について解説します。
店内ディスプレイにおける色の並べ方の基本
冒頭で「絵」のようなディスプレイにならないように、手に取りやすい売り場を。と、言いましたがだからと言って適当に並べていてはNG。
お洋服の場合、たたみの陳列では「暗い色→明るい色」と並べるのが基本。
ただし、ここで注意点が一つ。全てこのセオリーに沿って陳列するとフェイス(一番上)は全て白っぽい色になってしまいますよね。
白ばかりが一番上になってしまう時、少しディスプレイに手を加えてみましょう。
黒→紺→エンジ→ベージュ→白という順で明るくなる商品があるとします。
この色展開が3品番並ぶなら、「無彩色→有彩色」にしてみてはいかがでしょう。
黒→ベージュ→白→紺→エンジと並び変えることができ、売り場に変化をつけることができます◎
色味のあるものを一番上に持ってくる意識をすると、遠目からも目を引き、効果的。
壁面の陳列ディスプレイ
壁面では演出するVMDと陳列するVMD、交互に展開ができたりします。
店の外からお客様は斜めに店内を見るので、壁面は店外からも目に留まりやすい場所。
ハンガー陳列にも明るい色を持ってきて、中央よりも華やかにするとアイキャッチになります。
秋冬は特に暗い色が多くなりがちですが、服と一緒に明るい色のバッグをかけてみたり、トップスとボトムを交互に刺したりと動きを出しましょう。
ボディには靴を合わせると、リアルなコーディネートになるので忘れずに◎
【注意】備品・什器管理もVMDの一環
どんなに魅力的なディスプレイができても、什器が傷んでいたり、備品に汚れがあったりしては本末転倒。
ヒビの入ったPOPスタンドや塗装が剥がれたイーゼルを使っているショップ、見かけます。
ガラス棚が指紋だらけだったり、棚の隙間に埃が溜まっていたりしませんか?
掃除を頻繁にしていても毎日お店にいると汚れに意外と気づかないなんてことも。
店頭はもちろんですが、レジ周りやストックルームのクリンネスも忘れずに◎
レジ周りが書類で溢れているの、お客様は結構みていますよ。
ストックの乱れも注意。
大事な商品、管理をきちんとしましょう。
在庫の把握もしやすいですよね。
ストックやレジ周りといったお客様が入ってこないバックヤード部分は、つい清掃を後回しにしがちですが全てお客様に繋がります。
清潔な店舗には、いい気が巡ってきますよ◎
売り上げアップに繋がる!店舗ディスプレイ方法・まとめ
店舗におけるディスプレイでは、場所によってメリハリを付ければ、長時間店内にいても飽きません。
するとお客様の滞在時間が伸びるだけではなく、店内の商品を隅々までご覧いただけるので売り上げアップにも繋がります。
どんなに販売力のあるスタッフがいても、元々の商品が魅力的でもそれを引き出せなければ意味がありません。
ディスプレイ一つで魅力度が変わってくるので一度見直してみてはいかがでしょうか。
ディスプレイの力、侮れませんよ!