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【客単価とセット率】アパレルのセール戦略、販売員が行う売上を伸ばす施策

アパレル業界の半期の中で、一番売上げがつくれるセールシーズン。

しかし、セールスタートから一週間ほど経ち再値下げを繰り返したころは、客単価も下がるため点数を売っても一日の売上げが伸びないと悩む販売員も多いかと思います。

客数が減り、商品単価が下がる中で売上げを伸ばすためには、一客の購入単価を上げる戦略を立てなくてはなりません。

もも

とはいえ、お客様に合わない商品をムリに勧めてしまうと逆効果……

セール時期にこそ重要な、効果的に客単価を上げる方法を紹介します。

売上げを伸ばすキーワード、客単価とセット率を解説

商品そのものの値段が下がるセール時期は、いかに客単価を上げられるかがカギ。

そこで重要なのが「客単価」と「セット率」です。

少ない客数で売上げをつくる「客単価」

客単価とは

客単価=(総売上げ金額)÷(買上げ客数)

一人のお客様がどのくらいの金額を使ったかがわかる

例えば一日の総売上げが100万円だとして、50人のお客様が購入していた場合(100万÷50)なので、客単価は2万円。

ショップごとに目標の客単価を設定し、日々どのくらいの数字が取れているか把握するのが大切です。

目標の客単価を設定したら、達成に向けてどの価格帯のアイテムを中心に売ればいいのか分析を行いましょう。

客単価を上げるために「セット率」を把握する

一客に一点販売するだけでは目標客単価に届かない場合、2点以上のセットを組んで売上げをつくる必要があります。

セット率とは

セット率=(総売上げ点数)÷(買上げ客数)

一客の平均買上げ点数を指す。

例えばセット率が2.0だとすると「一人のお客様が2点商品を購入した」ということ。

注意点として、いくらセット率が高くても商品の単価が低ければ客単価そのものは上がりません。

例えば「3,000円のTシャツを2枚」購入したお客様と「3,000円のTシャツ1枚と10,000円のワンピ1枚」を購入したお客様では、セット率は同じ“2.0”。

ですが客単価は前者6,000円・後者13,000円と大きく開くのがわかります。

セット率も重要ですが、どの値段の商品でセットが組めたかも把握しましょう。

お客様の予算に合わせた、セール時期の戦略

では、具体的にセール時期はどのような方法で客単価アップを狙うべきでしょうか。

セット率を上げるには接客の中盤、フィッティングのシーンで販売員がどのように動くかが重要。

セールがスタートした直後の数日間は接客をしなくても勝手に売れまますが、セール最初の土日を過ぎた頃かると全く売れなくなる閑散期に突入。

勝手に売れる時期が続くと接客の感覚がマヒしてしまいますが、セールのピークを過ぎたこの時期は再値下げも行われて、さらに客単価が下がる頃ですよね。

セール序盤の接客方法は通用しません。

客単価を上げるための手段として、販売員が行うべき接客の戦略を紹介します。

【戦略1】プロパー販売を強化「晩夏・梅春アイテムは今すぐ着られる」

「セール時期にプロパーは売りにくいな」と思いがちですがそんなことはありません。

セール中盤になると翌シーズンの新作(プロパー商品)が入荷してきます。客単価が下がりがちなセール中盤以降はプロパーの販売も強化していきましょう。

お客様にとっても、セール商品は見飽きた頃なので新しい季節の色味や素材のアイテムに新鮮さを感じて目を惹かれるはずです。

もも

あと少ししか着られない夏物より、いまから冬まで使える秋の新作がおすすめですよ!

と後押しをしてあげる一言を添えると◎

色合いは目新しさがある一方、デザインは今のシーズンから次のシーズンまで快適に着られる素材が多いという点が晩夏や梅春のプロパーアイテムの押しポイント。

「今すぐ着られる」とプッシュがしやすいはずです。

今の時期にセールとプロパーどちらを買うべきか、新作は何を選んだらいいかわからない、そんなお客様をサポートする気持ちが大切です。

【戦略2】セール商品のセット販売を狙う

やっぱり安くおトクに服を買いたい〜

プロパーには目を向けないお客様は、セールの時期にしか来店しないファッション感度の低い方たち。

服は着られればいい、より安く買いたいという価値観の人たちに単価の高い商品を売ろうとしても無駄です。

そのお客様にとって不要な商品を推すのではなく、お客様それぞれに合わせた提案が必要。

もも

値段重視というお客様にはセール商品のセット販売をすると◎

セール商品で客単価を上げるにはデザインや機能性よりも、「再値下げしたばかりなんですよ」「もともとのお値段は〇〇円だったんですよ」というように、値段や割引率でプッシュするのが効果的。

値段以外にその商品のアピールポイントがあったとしても、どこに魅力を感じるかは人それぞれ。お客様の要望に合ったメリットを伝えられないと売れません。

セール目的の方には値段で訴求する

客単価を上げるコツ、特別感を与える「ウォンツ接客」

セール中盤以降は一人のお客様に費やせる時間も増えてくるので、コーディネートを引き立てるプラスワンアイテムの提案を行いましょう。

セールで値段が下がっているこの時期だからこそ、お客様自身も複数のアイテムに手を取りやすくなります。

セットはお客様主導の受け身接客では組めないので、販売員主導で提案しなくてはなりません。

例えば、旅行用の服が欲しくて来店されたお客様がいたとします。

お客様自身、どのような色・形・素材のアイテムやコーディネートがいいのか明確ではなく、漠然としている場合はよくあること。

セット率を上げるにはニーズを聞き出すだけではなくお客様を褒めながら “あなただからこそ”という「ウォンツ接客」が効果的です。

もも

背が高いお客様だからこそ、ラフな素材でもカッコよく着こなせますよ!

というように、特別感を感じてもらう文言を添えると売上げに繋がりやすくなります。

セールの戦略まとめ

セールのヤマを超えて閑散期に突入し、客数そのものが減ってしまう時期だからこそ、一人ひとりに向き合った接客が必要。

放っておいても売れるということはまずありません。

たとえセット販売が苦手でも、プロパーや高単価の商品一つ売れれば客単価をとることができます。

まとめ
  • プロパー強化…セール時期にくるお客様=セール目的という先入観をなくす
  • セット販売…単価の低い商品(セール)は、コーディネートを組んでセットで売る
  • ウォンツ接客…「お客様だからこそ着こなせる」

自分の得意な接客スタイル・客層を持っているあるはずなので、売上げを取る方法を分析しましょう。